【完】絶対引力
…港から歩くこと10分。
「ここだよっ。」
涼が指差した場所を見る。
田舎の家はやっぱり大きいと実感する。
それに加えて、綺麗だった。
「さー入って入って。お母さーんっ。」
私を家の中に招いて、涼は中に入っていってしまった。
え…?
どうすればいいの?
入っていいのかな…?
そんなことを考えていると奥から涼とお母さんが来た。
「小夜だよーっ。」
涼がお母さんに私のことを紹介する。
「あ、小夜といいます。」
来て早々に前触れもなくお母さんが来た為に戸惑う私。
「ふふ、小夜ちゃん、そんなかしこまらなくていいのよ?」
柔らかく笑うお母さんを見て思った。
涼はお母さん似なのかな…。
笑った顔がそっくり。