【完】絶対引力
そこには、キスしている2人。
さっきは見えなかっ男の人の顔。
その顔を見て間違いなくこの人は伊織だ、と思った。
変わらない目元、鼻。
呆然と立ちすくんでいると伊織の目が私を捉えた。
「え?あ…失礼しました…。」
ここにいてはならないと思い、咄嗟にそんなことを口走っていた。
きっと私の顔は苦笑い。
平然と口にしたけど、心の中は尋常ではない。
混乱したまま歩きだした。
どこに向かってるのかわからない。