【完】絶対引力
本当は、大好き


「な、何が…?」

変わったその姿を前に胸が高鳴る。

私は伊織をみていて、伊織も真っ直ぐ私を見ている。

それだけでドキドキと緊張が止まらなくなる。


「誤解なんだよ。あれ元カノで、キスも無理やりされた。」

電話越しに会話しながら段々と近づいてくる。

視線は1㎜たりとも私から外さない。


「言い訳しなくていいよ?付き合ってるわけじゃないんだから…。」


「言い訳じゃないっ!」


早足でどんどん近づいてくる。

反射的に私の体は遠ざかるために後ずさる。

これ以上近づくときっと私が壊れてしまうから。


「小夜は何でこっちに来たの?俺は小夜に会いたかったから会いに行ったんだよ?」


「小夜は違うの?」


私の後ろは砂浜の終わりが近づく。

それでも後ずさることを止められない私は石につまずいて扱けてしまった。





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