【完】絶対引力


「そんな子のどこがいいの?色気ないし。」


…。

色気ない…。

否めないところが自分で悲しくなった。


「それにあたしの方が伊織のこと好きだよ。
そんな子よりずっと好きだったし、今もあたしの方が好き。本当に伊織が好きか分からないそんな子よりあたしにしてよ。」


は?

本当に好きか分からない?

あたしのほうが好き?

ずっと好きだった?


「…私の方が…好きに決まってんでしょ。」

低く小さい声で言った。

さっきまで腰低く聞いてたけど、もうそんな余裕は無い。


「何?何か文句でもあんの?」


「失礼ですけど、いつから好きなんですか?」


にっこりと作り笑いをして聞く。




< 92 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop