【完】絶対引力
「そんな子のどこがいいの?色気ないし。」
…。
色気ない…。
否めないところが自分で悲しくなった。
「それにあたしの方が伊織のこと好きだよ。
そんな子よりずっと好きだったし、今もあたしの方が好き。本当に伊織が好きか分からないそんな子よりあたしにしてよ。」
は?
本当に好きか分からない?
あたしのほうが好き?
ずっと好きだった?
「…私の方が…好きに決まってんでしょ。」
低く小さい声で言った。
さっきまで腰低く聞いてたけど、もうそんな余裕は無い。
「何?何か文句でもあんの?」
「失礼ですけど、いつから好きなんですか?」
にっこりと作り笑いをして聞く。