【完】絶対引力
「伊織はね、超たらしなの。遊びの女ばっか。知ってた?こっちでは女とっかえひっかえ酷かったんだから。」
"超たらし"
たらし…。
あ…。
『超たらが好きなんだよ』
ふぅん、こういうこと…。
たら、じゃなくて、たらし。
「いーおーりくん…?」
どういう事かな?、とぎろっと横目で睨むと。
「違うんだって、それには訳が…。」
「ああそう。後でたっぷり聞いてあげる。」
語尾にハートが付きそうなくらいにっこり笑って言う。
「分かったでしょ?だから…」
「私が分かったのは、あなたがその遊ばれた女の一人だったって事。」
「いっ、てぇ…。」
ヒールで伊織の足を踏みつける。
その様子をチラッと見ると涙目になっていた。