【完】絶対引力


「伊織はね、超たらしなの。遊びの女ばっか。知ってた?こっちでは女とっかえひっかえ酷かったんだから。」


"超たらし"

たらし…。

あ…。

『超たらが好きなんだよ』


ふぅん、こういうこと…。

たら、じゃなくて、たらし。


「いーおーりくん…?」


どういう事かな?、とぎろっと横目で睨むと。


「違うんだって、それには訳が…。」


「ああそう。後でたっぷり聞いてあげる。」


語尾にハートが付きそうなくらいにっこり笑って言う。


「分かったでしょ?だから…」


「私が分かったのは、あなたがその遊ばれた女の一人だったって事。」


「いっ、てぇ…。」

ヒールで伊織の足を踏みつける。

その様子をチラッと見ると涙目になっていた。




< 95 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop