【完】絶対引力
「これ以上話してるの、下らなくなったんで帰りますね?」
そう言い放って伊織の腕を掴むと歩き出す。
何なの何なの何なの。
そんなにだらしない生活してたなんてっ!!
許せない。
「待ちなよっ。あんたに何て渡したくないっ。」
「じゃあ、別れなければよかったでしょう。」
最後振り返ったとき、泣いていて。
少しかわいそうかな、と思ったけどやっぱり同情なんてできなかった。
どっちから別れたのか知らないけど、そんなに好きだったなら何で別れたのよ。
涼から伊織の事は少し聞いた。
何人か付き合った人はいたけど全員外見目当てだったって。
きっとあの人もそうだと思う。
こんなにチャラチャラしてたのは知らなかったけど…。