【完】絶対引力
「何だよそれっ?聞いてねえ!」
私から逃げていた伊織は優の前に行き、肩を掴みグラグラ揺らす。
「だって、言ってないし。」
と涼。
止まったのをいいことに私は伊織を捕まえる。
「伊織?詳しく話して貰おうかなぁぁ?」
「話すも何も、小夜と似てる奴と付き合ってただけ。さっきの女は似てる欠片も無かったけど。」
私と似てるってそんなに似てる人いないでしょ。
てか何で似てる人なの。
横で涼と優は笑っている。
さっきからずっとこの調子。
「おい、朝も俺のこと笑ってたけど、何が面白れぇんだよ。」
朝?
朝ってなんのことだろ。
っていうか、手料理自慢のお陰で伊織を捕まえられた。
効果はあったみたいだった。