ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
 触れてはならないと言われると、どうしても手を掛けたくなる性質は、昔関わった講師の真似をしているとは、アリト自信気づいていない。

 名前、ID、血縁者の名前、大切な言葉、自分の一番、とりあえずパスワードの基本を頭脳に並べてみるが、いずれにしても三十秒という時間はいらない。

 ならば、突発的に数字と文字を書き並べたのかと思ってみたが、それでは忘れた時に開封不可能となってしまう。それに、それでは隠すことができても、他人に伝えることはできない。まさか、無謀にもメモを残しているとも考えにくかった。

 だいたい、このパスワードを考えたのがギバルなら、ロックパスの長さを思うとアリトの頭では解読不可能に近い。

 この隠し研究施設にも長居は危険である。

 DMを完全に操るには、どうしてもこの先の項目を開かなければならないのだ。

 セキュリティ発動の知らせは既にでている。

(やはり、開発部に任せるべきかしら) 

 抜け出す間を間違えば、政府の援軍が神官側に攻めて来てしまう。

 それまでに、自分の痕跡を消し、DMに連れて越させたあの四人を今回の事件の犯人仕立て上げなければならない。

 
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