ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
1話/裏と裏と裏ともしかしたら表
「やあ、副隊長君じゃないか、久しいね」
牢屋の格子越しに兵士に扮した男が立って居た。
身長は、スピカよりもずっと高く、黒い瞳と黒い髪の毛が特徴で、年は三十前後と言える。
口調は軽く、いつもにも増して真剣見が無く、牢屋に放り込まれたスピカを鼻で笑うような口振りだった。
「ブギルさん、またバイトですか」
そんなブギルを見上げて、スピカは溜め息混じりそんなことを口にした。
戦争中にも関わらず、牢屋の中には捕虜は無く、掃除も中途半端で汚れに汚れた世界で、スピカには地獄のような場所だった。
「普通は、逆なのだけれどね。
副隊長君はなにをしたんだい」
ブギルは、スピカの問いをはぐらかして言う。
「なにもしていません。
いきなり、放り込まれたんです。
隊長を知りませんか、離れてしまって、その、心配です」
抗議するように強めに言い放つも、最後の方は目を伏せがちに付け加えるスピカにブギルは、小さく笑う。
「彼なら神官区域に売られたよ。
ま、生きて帰ることはないだろうね」
意地悪く呟くブギルの言葉にスピカは勢いよく顔を上げた。
「な、どういうことですかそれはっ」
牢屋の格子越しに兵士に扮した男が立って居た。
身長は、スピカよりもずっと高く、黒い瞳と黒い髪の毛が特徴で、年は三十前後と言える。
口調は軽く、いつもにも増して真剣見が無く、牢屋に放り込まれたスピカを鼻で笑うような口振りだった。
「ブギルさん、またバイトですか」
そんなブギルを見上げて、スピカは溜め息混じりそんなことを口にした。
戦争中にも関わらず、牢屋の中には捕虜は無く、掃除も中途半端で汚れに汚れた世界で、スピカには地獄のような場所だった。
「普通は、逆なのだけれどね。
副隊長君はなにをしたんだい」
ブギルは、スピカの問いをはぐらかして言う。
「なにもしていません。
いきなり、放り込まれたんです。
隊長を知りませんか、離れてしまって、その、心配です」
抗議するように強めに言い放つも、最後の方は目を伏せがちに付け加えるスピカにブギルは、小さく笑う。
「彼なら神官区域に売られたよ。
ま、生きて帰ることはないだろうね」
意地悪く呟くブギルの言葉にスピカは勢いよく顔を上げた。
「な、どういうことですかそれはっ」