ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
 だが、反論するつもりも無かったが、納得するつもりもなかった。

「クルルさんでしたか、外まで案内して頂けますか」

 そんなスピカをおいてきぼりにして、ヴォルラスがクルルに案内を促した。

「案内って言ったって、見取り図もなしにどうやって進めって言うんだ」

 頭を抱えたクルルに、ヴォルラスがPCハピネスに映った画面を指差した。

「あれが使えると思いますよ。
 スピカさん、引き伸ばして付近の見取り図を見ることはできませんか」

「はあ、やれないことは無いですよ。
 ただ、隊長とDMがかなり工場を破壊したようです、別の経路を探すには少し時間を頂かないと」

 スピカの答えに、ヴォルラスは黙して頷いた。

 ヴォルラスにはPCを操る技術は無い。頭だけでの計算では、予期せぬ事態への対応はできても、正確な通路を割り出すまでには至らなかったのだ。

 スピカがPCハピネスに駆け寄り、ヴォルラスの指示通り道順を示した地図を掲示する。

 3つほどの通路を割り出した所で、ヴォルラス指差した。

「真ん中を行きましょう。
 一番早く中庭を抜けられます」

「そうですね、敵の数を見て左右の通路に抜けることもできそうです」
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