ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
 言葉にラミアの反応は無い。

「お母さんの所に行くよ」 

 床に沈むスピカの腕を無造作に握り、ラミアは歩き出す。

「お待ちなさい、あなたの母親は、リンメイですか」

 ペシェが歯噛みをして言い放ち、ラミアの右腕を狙い種を発動させた。

「違うよ。
 わたしのお母さんはハピネスっていうの」

 契れた腕が、瞬時に再生され神経の絡み合う気色の悪い音が響く。

 解放されたスピカが、言葉を無くしてそれを見つめていると、他のDMが姿を表し始めた。

 遠く、数度の爆発音が聞こえ、前回どうように囲まれてしまう。

「少女さん、その男性とクルルさんを連れて外に居る政府に連絡をお願いします」

 白竜セスナに乗る少女に向けてスピカが叫ぶように願い出ると、セスナはDMを弾いてペシェの襟首を口で起用に加えて背中に乗せた。

「なっ……俺は、残っても」

 スピカの判断に苛立つように声を吐く先で、スピカを捕まえるDMが目に入る。

「ラミア、目を覚ませえっ」

 その傍らに響くクルルの声を無視してセスナはクルルを加えると一気に壁を突き破って空に舞い上がった。

「馬鹿、下ろせよっ。
 切開見つけたのにっ」
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