ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
「鍵を開くだけの方が簡単なんですけれどね」
いつでも、発動できるように構えたスピカは、苦笑い混じりに言う。
「なら、それでも構わないよ。
壁の修理費云々を考えたら、そちらのほうが良い」
ブギルは、怪しげに笑うと何かを思い出したように帽子からはみ出した髪を纏めて被り直し、通路の奥に目線を向けた。
スピカもその視線を追い掛けて、青ざめる。
種で編み出した光を持ち、コクリートと部下数名の足音が聞こえてきたのだ。
「コクリート長官、人質が逃げようとしています。
如何なさいますか」
いきなり、調子を変えたブギルについていけず、スピカは奥歯を噛み締めた。
「話は成立したよ。
副隊長、スピカ・ファイン君。
博士とやらの伝言で君は島へ強制送還が決まったそうだ。
ターミナルまで馬車で移動してもらう。
速やかに同行して貰おう」
部下が、いきなり鍵を開きスピカの腕を取る。
そのとき、スピカはブギルの歪な笑みに気づいて、はっとした。
「嘘、嘘です。
みんなこの人が仕組んだことです。
本人に、監獄島のユーリ・シトラス博士に確認して下さいっ」
いつでも、発動できるように構えたスピカは、苦笑い混じりに言う。
「なら、それでも構わないよ。
壁の修理費云々を考えたら、そちらのほうが良い」
ブギルは、怪しげに笑うと何かを思い出したように帽子からはみ出した髪を纏めて被り直し、通路の奥に目線を向けた。
スピカもその視線を追い掛けて、青ざめる。
種で編み出した光を持ち、コクリートと部下数名の足音が聞こえてきたのだ。
「コクリート長官、人質が逃げようとしています。
如何なさいますか」
いきなり、調子を変えたブギルについていけず、スピカは奥歯を噛み締めた。
「話は成立したよ。
副隊長、スピカ・ファイン君。
博士とやらの伝言で君は島へ強制送還が決まったそうだ。
ターミナルまで馬車で移動してもらう。
速やかに同行して貰おう」
部下が、いきなり鍵を開きスピカの腕を取る。
そのとき、スピカはブギルの歪な笑みに気づいて、はっとした。
「嘘、嘘です。
みんなこの人が仕組んだことです。
本人に、監獄島のユーリ・シトラス博士に確認して下さいっ」