ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
四章/核
 ブギルとアリトとリンメイの三人が降り立った部屋には、出来上がった部品を入れた箱が重なっていた。

 アリトが外の爆発音に耳を傾け、あのディスク以外に彼らを止める術をリンメイに問いただした。

「核を壊すしかない。
 結局、あれも欠陥品」

 冷めた口振りで答えたリンメイは、嘲るように冷笑を浮かべていた。

 アリトは、自分の額を掌で軽く擦りあきれたように口を開く。

「核はあなたの娘だったわね」

「娘?
 笑わせないでほしい。
 あれは、前の夫が連れていた子。
 血は繋がってないわ」

 声を上げて笑うだけ笑うリンメイを見ていたブギルはアリトになにやら耳打ちする。

「そう、なら心起きなくやれるわね」

 その後のリンメイに負けない程冷ややかな笑みを浮かべたアリトは、銀雨を呼び出し後ろに目線を投じた。

「嘘でしょう、お母さん」

 そこには、傷だらけのスピカを無造作に掴むラミアの姿がある。

 リンメイの表情が凍り振り向く速度があからさまに遅くなる。冷や汗を背中に感じているのかリンメイの身体が一瞬揺れた。

「ラミア、どうして此処に」

「お母さんに、材料を持ってきたの」
< 131 / 142 >

この作品をシェア

pagetop