ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
「おじさんが何を言いたいのかわかんない」

 怒りと不安に汚染されたラミアが、苛立つように言い放つ。

「それは、悪かったね。
 ひとつ確認したいんだが、君の兄弟は何時もどうしてるんだい」

「どうって、透明カプセルの中」

 スピカを床に無造作に置いて、ラミアが答える。

「次は、アリト、君はDM全体に三人を拉致するよう指示を出したのかい」

「カプセルの中までは知らないけれど、そのつもりで遊んだわ」

 ブギルの質問に、あからさまに不機嫌な眼差しを返したアリトが呟いた。

「最後は、リンメイ博士だ。
 毒を注入される前に、兄弟達を外に出したのか」

 リンメイが首を振る。

「陣地内のDM管理は全てに置いて、戦闘時のみ解放した……工場はみんな欠陥品よ、全部閉じ込めておいたわ」

「そうだろうね、あんなものが暴走したら、こうなるのは見えていたわけだから……それで、DMが勝手に外に出るとも考えにくい」

「三人目が、外側から別の方法でDMを引き出したとしか思えない、そう言いえるわね。
 しかも、私が手を出したせいで陣地内のDMまで此処に集まってしまった」

 アリトがうんざりとした口調で言い放つ。
< 134 / 142 >

この作品をシェア

pagetop