ロデオ･カルテット─ｼｰﾙﾄﾞﾛｯｸ─鳥籠編

「そう、そこで問題なのは、第三者の目的だよ」

　まるで探偵気取りで歩き回り始めたブギルをアリト達は目線で追いかける。

「目的ね、DMが暴走して混乱するのは神官も政府も同等だと思うわ」

　アリトが口を挟めば、ブギルは通気口を気にしながら答える。

「そうかな、私には利益すら考えない人間の悪戯にし思えない」

「それは、神官でも政府でもない者の仕業と言いたいのか」

　リンメイがラミアに視線を向けていた。それに気付いたラミアが左右に首を振る。

「知らないよ、弟や妹は私が指示を出す前から動いてたもの」

　ラミアが答えたそのとき、ラミアに似た人形のような人間が、覚束ない足取りで四人の居る倉庫の扉から入って来る。

「それで、呼んだのは君なのかい」

　入って来た歪な人間数体に、ブギルが先程とは打って変わった余裕のある口調でラミアに聞いた。

「壊されたくないから。
　お母さんに裏切られたら、私、どこに行けば良いの」

　ラミアの口から零れ落ちた言葉は、微かに震えていた。

「アリト、二手に分かれよう。
　私は机君を迎えに行かなければならない」

「勝手にしなさい、貴方と居るより生存率は高まるわ」