ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
2話/迷子の子猫
少女には名前はなかった。
ただ、友達の白い竜にはなぜかセスナと言う名前がついていた。
少女は、何時も見知らぬ空間に居た。
それも、自分で望んで来た分けではなく気づくと居るという形である。
だからいきなり、
「IDを掲示しなさい。
さもなくば連行します」
と、シスター服の女に凄まれても、洒落た言い訳はできずに元来た道を走り出すしかできなかった。
「あ、お待ちなさいっ。
そっちは……」
制する言葉を投げたシスターを完全に無視して少女は、元居た部屋の扉を開けた。
部屋にはブラウン管が並び、少女には検討も付かない機材と薬品の臭いで埋め尽くされていた。
それでも少女は、シスターから逃れる為に扉を閉めて鍵を掛けると、まるで慣れたように通気口に潜り込んだ。
少女はこうやって、見つかる度に逃げてきた。
少女の敵はなぜか多いのだ。
勿論、少女はその理由など知る由も無い。ましてや、狙われる義理は全くないのだ。この、不法侵入と言う罪以外に。
少女は、通気口をセスナ片手に這いずって、降りた部屋で眠る人間を数体見つけ、硝子に入れられた人にならざる存在に少女は目を向ける。
ただ、友達の白い竜にはなぜかセスナと言う名前がついていた。
少女は、何時も見知らぬ空間に居た。
それも、自分で望んで来た分けではなく気づくと居るという形である。
だからいきなり、
「IDを掲示しなさい。
さもなくば連行します」
と、シスター服の女に凄まれても、洒落た言い訳はできずに元来た道を走り出すしかできなかった。
「あ、お待ちなさいっ。
そっちは……」
制する言葉を投げたシスターを完全に無視して少女は、元居た部屋の扉を開けた。
部屋にはブラウン管が並び、少女には検討も付かない機材と薬品の臭いで埋め尽くされていた。
それでも少女は、シスターから逃れる為に扉を閉めて鍵を掛けると、まるで慣れたように通気口に潜り込んだ。
少女はこうやって、見つかる度に逃げてきた。
少女の敵はなぜか多いのだ。
勿論、少女はその理由など知る由も無い。ましてや、狙われる義理は全くないのだ。この、不法侵入と言う罪以外に。
少女は、通気口をセスナ片手に這いずって、降りた部屋で眠る人間を数体見つけ、硝子に入れられた人にならざる存在に少女は目を向ける。