ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
 ひとつひとつ数字と文字記号を確かめながら、数十桁を入力する。

 もとから機械には強いので苦にはならかったが、料理を運ぶ手前、焦りを感じるチェストだった。

 扉が開くとアリト扮するリンメイが現れ、カートを取ると何も言わずにその道をギバルのもとに引き返した。

 手ぶらになったチェストは、ふと天井から視線を感じて顔を向けた。

 その先に、非合法の監視カメラなるものを見つけて、慌ててその場を後にした。

 施設を出て厨房へ戻ろうとしたチェストに、息を切らして青ざめたクルルが体当たる。

「あ……ば、ばく、は……ばく、ばく、」

「は、な、なんっすか」

 チェストに縋り指差した先には、来るときには無かった通路がある。

「爆発っ、出た、う、動いたんだよっ」 

 余りに気が動転しているのか、クルルは伝えたいことが伝えられずにいる。

 それは、チェストにも良くわかった。だが、その様子を見てから、目線の先にある通路には足を踏み入れようとは思わなかった。

「あ、とりあえず、此処を離れるっすよ」

 チェストはクルルを連れて行こうとするが、クルルは首を振り通路を指差して喚くだけだ。

「わかったっす」
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