ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
4話/掴めない性格
一般的に、夜討ち朝駆けという戦略を好むのは、東国の人間と勝手に言われている。
神官側の長ギバルもまた、そんな東国生まれで、神があの地に還ることを願うひとりであった。
ただ、ギバルというこの男には、ひとつどうしょうもない欠点がある。
「リンメイ、鍵は掛けたか」
「はい、先程」
「紅茶に毒は入ってないな」
「はい、既に確認済みです」
「こ、ここにあった花瓶はどうした」
「花が枯れていたので、片づけましたわ」
「今すぐ元に戻せ、落ち着かない」
「わかりましたわ」
椅子に座って資料の整理をしていたかと思えば、本がずれただの物音がしただの、いちいち騒ぐその姿には、指導者の権威がまったく感じられない。
(世も末ね)
リンメイ扮したアリトは目を細めてそれに従う。
元々、ギバルに興味は無い。
奪う物はギバルの机の一番下にあることをアリトは知っていた。
しかし、なかなか隙が無い。
偶に、用足しに出掛けるだけで、無数の資料を眺めたまま一向にその場を動く気配が無かった。
(あのパスの長さも異常だわ)
開けるにも閉めるにも何故か手の込んだパスが入り用となる。
神官側の長ギバルもまた、そんな東国生まれで、神があの地に還ることを願うひとりであった。
ただ、ギバルというこの男には、ひとつどうしょうもない欠点がある。
「リンメイ、鍵は掛けたか」
「はい、先程」
「紅茶に毒は入ってないな」
「はい、既に確認済みです」
「こ、ここにあった花瓶はどうした」
「花が枯れていたので、片づけましたわ」
「今すぐ元に戻せ、落ち着かない」
「わかりましたわ」
椅子に座って資料の整理をしていたかと思えば、本がずれただの物音がしただの、いちいち騒ぐその姿には、指導者の権威がまったく感じられない。
(世も末ね)
リンメイ扮したアリトは目を細めてそれに従う。
元々、ギバルに興味は無い。
奪う物はギバルの机の一番下にあることをアリトは知っていた。
しかし、なかなか隙が無い。
偶に、用足しに出掛けるだけで、無数の資料を眺めたまま一向にその場を動く気配が無かった。
(あのパスの長さも異常だわ)
開けるにも閉めるにも何故か手の込んだパスが入り用となる。