ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
「良い、今から出向く。
 ペシェ、後は頼んだ」

「ギバル長官、ラプラスの長はDMの資料を常々欲しがっておりましたが、それにも何か関係がおありですか」

 ギバルは、苦笑い振り向く。

「ああ、ディスクをやられた。
 パルマの奴に届ける気だろう、取り返してくる」

 ペシェは、ギバルの行動を止めることは無かった。

「どうぞ、ご無事で」

 血なまぐさい風が陣を埋める中、軽く手を振りペシェは、DMに向き直った。

「さて、流石にこれ以上、兵士を減らされるのは俺としても避けたい。
 もとの地下暮らしに戻って頂きましょう」

 言い放つや否や、指を弾いてDMの頭を吹き飛ばしたが、再生能力が機能して絶命には至らない。

 そうこうするうちに、あちらこちらで火の手が上がり、最早、内乱としか例えようの無い事態が広がっていた。

 こうなると、全体把握などしていられない。しかし、結界で他の町と接触を避けて居た町では、すぐさま援軍を呼ぶこともできずにいた。

 なにせ、この戦は、DMのデータ採取が目的であり、幾度たるシユミレーションでDM任せの策略が練られていたのである。

 まさか、陣地内で暴走とは誰も思いつかなかった。
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