ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
「セスナ、体当たりっ」
逆上した少女が放たれたセスナに言えば、小さなドラゴンは言われるままに彼の背を捉えようと旋回する。
「うるさい。
聞いただけだろ」
向かうセスナを交わして受け止めた彼が苦笑いを浮かべた。
「サイズアップ」
「いっ」
だが、少女は彼の声に耳も貸さずセスナの身体を膨れ上がらせた。
「ついでに、スタイルアップ」
「おひっ」
彼の手に収まっていたセスナの体重が見る間に増えていく。
ヴォルラスが床の軋み具合に面を食らうさなか、セスナを辛うじて支える彼の口元は歪んでいた。
「押しつぶしちゃえ。
きんぴかの馬鹿っ。
セスナに意地悪しないでえ」
「どっちが、だ」
ドラゴン遺伝子持ちが、片腕で支えられない程重くなったセスナを投げ返すこともできずに、彼は泣きそうな少女を見た。
「謝れ」
「なんで、俺がっ」
「隊長さん、とりあえず謝るべきかと」
ヴォルラスが、ひび割れた床を示してとりあえず口を挟むが彼が謝ることがないことをどこかで予測していた。
「俺もお前なんか知るか。
できれば、政府の誤認であれば良かったと思ってる。
このまま、出会わなかったことにしてやるから、さっさと消えろっ」
逆上した少女が放たれたセスナに言えば、小さなドラゴンは言われるままに彼の背を捉えようと旋回する。
「うるさい。
聞いただけだろ」
向かうセスナを交わして受け止めた彼が苦笑いを浮かべた。
「サイズアップ」
「いっ」
だが、少女は彼の声に耳も貸さずセスナの身体を膨れ上がらせた。
「ついでに、スタイルアップ」
「おひっ」
彼の手に収まっていたセスナの体重が見る間に増えていく。
ヴォルラスが床の軋み具合に面を食らうさなか、セスナを辛うじて支える彼の口元は歪んでいた。
「押しつぶしちゃえ。
きんぴかの馬鹿っ。
セスナに意地悪しないでえ」
「どっちが、だ」
ドラゴン遺伝子持ちが、片腕で支えられない程重くなったセスナを投げ返すこともできずに、彼は泣きそうな少女を見た。
「謝れ」
「なんで、俺がっ」
「隊長さん、とりあえず謝るべきかと」
ヴォルラスが、ひび割れた床を示してとりあえず口を挟むが彼が謝ることがないことをどこかで予測していた。
「俺もお前なんか知るか。
できれば、政府の誤認であれば良かったと思ってる。
このまま、出会わなかったことにしてやるから、さっさと消えろっ」