ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
 だからか、飛び出した言葉にヴォルラスはなんの疑問も感じない。

「私もわかんないよ。
 副さんは一緒に来てほしいで、きんぴかは来るななのか」

 少女は、セスナの体重を種で操作したままで言う。

「さあ、政府の連中が口閉ざしてるからな。
 つまりは、達成させなくて良い話なんだ。
 だから、お前を見つけようが見つけられなかろうが俺には関係ないっ」

 言い切る彼に、少女はならばと窓を開ける。

「セスナ、いこう」

 少女はそれだけ寂しげに呟いて、セスナを窓の外へ促して背中に飛び乗ると、なにも言わずに夜空へと消えた。

「良かったのですか」

「なにが」

「説得する機会を逃したように思えましたが」

 床のひび割れを物憂げに眺めてヴォルラスが問う。

 彼は窓の外を見たまま、サングラスを掛け直した。

「副は終わらせたいらしいけどな。
 俺は急がないし、まだ、見て回りたい場所が沢山ある」

「そうですか。
 しかし、少女さんにも隊長さんにもいろいろと問題があるみたいですね」

「問題?」

 言いながら、彼は掛けていたコートを手に取った。

「いえ、私の直感でしかないのですが」

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