ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
「ま、俺等には問題だらけだ。
ガキ連れで歩いてるのも面倒だろ」
「どちらへ」
黒のコートを手際良く着込む彼に、ヴォルラスは聞いていた。
「飲み屋だよ。
ヴォルも行くか?」
「まず、床を壊したことを宿主に伝えるべきでしょう。
それに、スピカさんはどうするんですか。
私もそろそろ仕事に戻らなければならないのですが」
しかし、予定調和のように扉は閉まる。
話を聞かないあたりは数ヶ月前と殆ど変わりがない。
ヴォルラスはあの惨事に眠り続けるスピカを一瞥した。
一緒に旅をし、父親の伝でラプラス団を追いかける権利を得たヴォルラスには、何故、ラプラス団の彼らが強固に彼とスピカを狙うのかいまいち想像がつきかねた。それだけではなく、詐欺師を名乗る男が何かと言うと合いの手を差し伸べて、彼らを誘導していることに薄々感づいているヴォルラスである。
スピカを狙ったのが彼の言うとおり、詐欺師の連れであるならば、此処に逗留している暇が惜しかった。
しかし、スピカを放置して部屋を出るなどヴォルラスにはできずにいた。
「う、うう」
それからどれほど時間が経っただろう。
ガキ連れで歩いてるのも面倒だろ」
「どちらへ」
黒のコートを手際良く着込む彼に、ヴォルラスは聞いていた。
「飲み屋だよ。
ヴォルも行くか?」
「まず、床を壊したことを宿主に伝えるべきでしょう。
それに、スピカさんはどうするんですか。
私もそろそろ仕事に戻らなければならないのですが」
しかし、予定調和のように扉は閉まる。
話を聞かないあたりは数ヶ月前と殆ど変わりがない。
ヴォルラスはあの惨事に眠り続けるスピカを一瞥した。
一緒に旅をし、父親の伝でラプラス団を追いかける権利を得たヴォルラスには、何故、ラプラス団の彼らが強固に彼とスピカを狙うのかいまいち想像がつきかねた。それだけではなく、詐欺師を名乗る男が何かと言うと合いの手を差し伸べて、彼らを誘導していることに薄々感づいているヴォルラスである。
スピカを狙ったのが彼の言うとおり、詐欺師の連れであるならば、此処に逗留している暇が惜しかった。
しかし、スピカを放置して部屋を出るなどヴォルラスにはできずにいた。
「う、うう」
それからどれほど時間が経っただろう。