ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
1話/悪党の夜
チェストとクルルは狂ったように走っていた。
神官区域の町は、あっちこっちから火の手が上がり、爆発音が轟き、建物が崩れて逃げ場もなくなりつつある。
ゲートは強固に封鎖され、結界で完全に周りと遮断された町が出来上がっている。
チェストは、出てきたDMに悲鳴じみた声を上げて全力疾走する。それを追いかけて走るクルルが、チェストの服を掴み下を指差した。
どこの町にも存在する下水道への道に、チェストも気付いて二人で潜り込む。
「なんなんっすか、あれ」
話には聞いていたが、チェストにもその実体までは分かっていない。
空間術と名付けられた、結界とは別の構成で成り立っている世界を歩きながら、チェストは首を傾げた。
「あんた、神官じゃないのか」
後ろからクルルに聞かれて、どうにも答えられずチェストは苦笑い足を早めた。
「そうっすね、神官事情も政府事情も半々しか知らないってのが事実っす。
ただ、あれについて兄貴が知りたがっていたんっすよ」
「悪党って名乗るくらいだ、でっかい集団みたいだな。
じゃあ、あわせたいってのは兄貴分なのか」
チェストは、クルルに頷いた。
神官区域の町は、あっちこっちから火の手が上がり、爆発音が轟き、建物が崩れて逃げ場もなくなりつつある。
ゲートは強固に封鎖され、結界で完全に周りと遮断された町が出来上がっている。
チェストは、出てきたDMに悲鳴じみた声を上げて全力疾走する。それを追いかけて走るクルルが、チェストの服を掴み下を指差した。
どこの町にも存在する下水道への道に、チェストも気付いて二人で潜り込む。
「なんなんっすか、あれ」
話には聞いていたが、チェストにもその実体までは分かっていない。
空間術と名付けられた、結界とは別の構成で成り立っている世界を歩きながら、チェストは首を傾げた。
「あんた、神官じゃないのか」
後ろからクルルに聞かれて、どうにも答えられずチェストは苦笑い足を早めた。
「そうっすね、神官事情も政府事情も半々しか知らないってのが事実っす。
ただ、あれについて兄貴が知りたがっていたんっすよ」
「悪党って名乗るくらいだ、でっかい集団みたいだな。
じゃあ、あわせたいってのは兄貴分なのか」
チェストは、クルルに頷いた。