ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
「そうだね。
 私達は悪党で、偉い人の命令で、欠陥品の弱点を探している。
 まあ、簡易的に説明すればこうなるだろうか」

 ブギルは背もたれに深く身を預けて、遊ぶように言葉を選ぶ。

 それが、クルルには馬鹿にされているようで腹が立ったがなんとかやりこめると吐き捨てるように言った。

「妹が連れて行かれた。
 奴らがやってることが犯罪だって証拠を探して、止めるように説得するつもりだったんだ」

「へえ、それはまた凄い話だね」

「DMの本体は人間なんだ。
 やつら、神に捧げるとか抜かして、孤児や身売り人を連れて行って人体実験するのが目的なんだよ……そんなん、許せるわけないだろ」

「何時ものことだろう。
 今に限った話でもない。
 この世界はそれで成り立っている」

 怒りに震えるクルルに対し、経験豊富なブギルはあっさりとした回答を投げた。

 開発や進化の背景には、必ずある不幸話の一抹を冷ややかに眺めるブギルに、クルルが更に激怒したのは言うまでもない。

「お前等っ。
 本当に人間かよ。普通じゃないっ」

 流石に、殴りかかりそうなクルルをチェストがはがい締める。

「普通の生活とは縁がない」
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