ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
「はて、連れとはどなたのことで」

「とぼけるな。
 神官を匿った奴を連行しているはずだ」

 しかし、コクリートから帰る答えはまったく知らないというものである。

 彼はコクリートを突き飛ばして、事務所内を歩き回り地下にあるだろう牢屋へと突き進む。

 牢屋は閑古鳥が鳴いていた。

 暗い空間に人の気配は無い。

 そのまま、事務所を隅々まで荒らし周るが兵士は出払いそこには、彼しか居なくなっていた。

(なんだってんだ)
 
 酔いは醒めても頭痛は収まらず、彼は吐きそうになりながら一旦、木枯らし吹き荒ぶ町へ出た。

 夜の空に星が並ぶ。

 彼は暫く、静かになったその入口に佇んだ。

 だが、夜に飛ぶ筈のない鳥の飛来に彼はその後を追い掛けた。

 その最中に、ゲート向こうで何かが点滅し、空に雷が走る。

 神官側の結界が崩れ、政府軍が攻撃を仕掛けたことは走る彼にもよくわかった。

 しかし、彼は空飛ぶ鳥に誘われて、それとはまったく反対側へと足を進める。

 待っていたのは、シスター服の女とヴォルラス、そして、傷ついた娘であった。

「あら、芸術品。
 今日も良い色してるわね」

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