ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
見張りの兵士を一瞥したチェストが、蒼覚めた顔で言う。
「馬鹿だな。
俺は悪党じゃないんだよ」
チェストの手を乱雑に振り払って、兵士の元へ小走りに駆け寄った。
チェストは反射的に、付けていたバンダナを弄ると、そっぽを向いた。
「DMのことを知っているだって?
本当か、嘘じゃないな」
「ああ、これでも陣で働いてたんだ。
知ってることは話すから、あっちに行かせてくれよ」
「いや、それは無理な話だ。
ゲートの入口は誰かに塞がれて、バロックスの様子がわからない」
「妹を探してるんだ。
知ってる情報は全部渡す。
水路を開けてくれよ」
クルルが真剣に頼めば、兵士は困ったように眼を閉じた。
「逃げ延びた奴らにも話は聞いたが、生存率は零だと言っていたよ。
政府側の人間が二人と狼に連れられた娘がバロックスに入ったきり、情報はなにもないんだ。
幾ら、神官側の君で理由があっても道は開けられないよ」
クルルにとって、絶望的な答えを吐いて兵士は瞳を開けた。
クルルはその後も言い募るが、DMが政府領域に侵入することを防ぐ為に、一切の通行を禁止していると兵士が重々しく口にした。
「馬鹿だな。
俺は悪党じゃないんだよ」
チェストの手を乱雑に振り払って、兵士の元へ小走りに駆け寄った。
チェストは反射的に、付けていたバンダナを弄ると、そっぽを向いた。
「DMのことを知っているだって?
本当か、嘘じゃないな」
「ああ、これでも陣で働いてたんだ。
知ってることは話すから、あっちに行かせてくれよ」
「いや、それは無理な話だ。
ゲートの入口は誰かに塞がれて、バロックスの様子がわからない」
「妹を探してるんだ。
知ってる情報は全部渡す。
水路を開けてくれよ」
クルルが真剣に頼めば、兵士は困ったように眼を閉じた。
「逃げ延びた奴らにも話は聞いたが、生存率は零だと言っていたよ。
政府側の人間が二人と狼に連れられた娘がバロックスに入ったきり、情報はなにもないんだ。
幾ら、神官側の君で理由があっても道は開けられないよ」
クルルにとって、絶望的な答えを吐いて兵士は瞳を開けた。
クルルはその後も言い募るが、DMが政府領域に侵入することを防ぐ為に、一切の通行を禁止していると兵士が重々しく口にした。