青い空と屋上と、
青い空
ふわり、と温かな風が吹き春の訪れを感じさせる季節。立ち入り禁止の屋上の扉に鍵を挿し込みあける。
キィ、と音をたてながら静かに扉を閉め扉とは反対の方へと歩み寄る。腰を落とし、影になっている自分の場所を見つめていた。
『だる…』
ポツリ、と呟いた。
今は授業中。勿論先生だって生徒だっていないはずだ。なのに、キィ、と再度屋上の扉が音を立て開いた。
ヤバい、と思い息を潜めていると聞こえたのは1人の男の声。
「よっしゃー、サボれる♪」
小さい声だが聞こえた。
ああ、サボりか。と思っていると同時に。
「あ、君もサボり?」
…ヒョイ、と顔を出し此方を見ているのは知らない男子。先輩なのか?いや、後輩か?…同じ学年か?
『…うん』
一応、返事はしとく。
素っ気なく返した筈が、「俺も!同じだな(笑)」とか言って隣に座った。そして、ポケットからトランプを出してきた。
「一緒にやらね?」
『…………うん』
金髪に耳にピアス7つ。
ヤンキーの様な身なりだが特に喧嘩とかを売るつもりはないようだ。まぁ、あったら困る。
暇だったので、誘いに乗ると笑顔になった相手はトランプをシャッフルし出した。