青い空と屋上と、


金から黒へ変わった髪色。ピアスの穴の数は減ったがまだ現役だ。じぃー、と見ていれば一樹の顔が赤くなる。…懐かしいなぁ…


「なっ!!そんな見んなッ!!恥ずかしいだろッ!!」



……可愛い(笑)
自分より高い身長の一樹が可愛いって思ってしまう。まぁ、言ったら叩かれるが…

気付いたら言葉にしてた。



『………可愛い』


あ、更に耳まで赤くなった。
……真っ赤な顔が、急に真面目なに顔になる。…顔の赤さはそのままだが(笑)



「由依の方が……、か…、わいい…だろ。」









ん?
なんか、幻聴が…聞こえた気がするんだけど…


『…え?もう一回言って…?』


「……さみーんから、ファミレス入ろーぜ」


ホラよ、と渡すヘルメット。言われるがまま一樹のバイクに乗り、腰に手を回す。するとバッ、と振り返り、


「急に腰に手を回すな!!心の準備くらいさせろ!!」


え?なんで心の準備が必要?
…と思いながら自分の心臓が聞こえないようにくっつく。聞こえないで、ずっと心の中で唱える。

エンジンが掛かり、走り出す。


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