最後の夏-ここに君がいたこと-
結局この悠太の1点が決定点となり、日本が勝利した。


翌日のスポーツ新聞の一面には、
“鮮烈デビュー長谷川”
“U-18、決めた、長谷川!!”
等の見出しと共、に悠太の写真が掲載されていた。



写真をよく見ると悠太の左手首には緑と黄色のミサンガがはめられていた。


「あっ……」


陸と目を合わせて微笑んだ。

そこには、確かに3人を繋げるものがあった。

離れていてもちゃんと繋がっている……。


「おじちゃん! これちょうだい!」


「親父! 俺も!」


浦添書店の店主である陸の父が優しく微笑む。


「130円ね」


「汚ねえ! 金とんのかよ!」


陸が憤慨する。


「あ、おじちゃん! 私、これとこれも買う!」


「390円ね」


「じゃあ俺はこっちも!」


「520円」


結局私と陸は、店にあった全種類のスポーツ紙を買い占めた。

悠太について書いてある記事は、何度読み返しても気持ちが良かった。

学校にいくと、誰かれ構わずに捕まえては、昨日の試合について語った。

本当に嬉かった。

悠太が着実に夢に近付いてゆく姿をみるのが、楽しくて仕方なかった。

こうして悠太はこの町だけじゃなく、全国的に有名になっていった。

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