最後の夏-ここに君がいたこと-
しかし昼間なら20分くらいで着くはずの頂上に、私達は1時間近く登ってもたどり着かない。
そう、私たちは道に迷ったんだ。
その内、道すらもなくなり、気が付けば、道なき道を歩いていた。
「悠太ぁ、俺もう嫌だよぉ恐い」
当然一番最初に泣き始めたのは、ヘタレの陸。
「すぐ泣く!泣くなよ、男のくせに」
私も内心怖かったけれど、強がるしかない。
怖いなんて口に出したら、陸と同じだから。
「帰りたいー」
「べそべそしないでよ!」
「もうちょっとで、てっぺんだと思うんだけど……」
悠太が斜面を見上げる。
今思えば悠太も焦っていたと思うし、怖かったはずなのに、私達を心配させまいと冷静なふりをしていた。
そう、私たちは道に迷ったんだ。
その内、道すらもなくなり、気が付けば、道なき道を歩いていた。
「悠太ぁ、俺もう嫌だよぉ恐い」
当然一番最初に泣き始めたのは、ヘタレの陸。
「すぐ泣く!泣くなよ、男のくせに」
私も内心怖かったけれど、強がるしかない。
怖いなんて口に出したら、陸と同じだから。
「帰りたいー」
「べそべそしないでよ!」
「もうちょっとで、てっぺんだと思うんだけど……」
悠太が斜面を見上げる。
今思えば悠太も焦っていたと思うし、怖かったはずなのに、私達を心配させまいと冷静なふりをしていた。