最後の夏-ここに君がいたこと-
泣く陸を「泣かないの!」と叩きながら、山道を進む。

たどり着かない焦り。

闇に対する恐怖。

限界が頂点に達しそうになった、その時。


「ウォォォッ」という聞いた事もない動物の鳴き声がして目の前の茂みがガサガサっと揺れた。


もう限界。


「ぎゃああああああ」


3人の悲鳴が重なる。

私達は大声をだして叫びながら大慌てで山を下った。

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