最後の夏-ここに君がいたこと-
しかし、病院に連れて行かれ、手当てを受けたあとで、私達3人を待っていたものは……説教の嵐。

病院の待合室に3人の両親の雷が、それぞれに落ちる。

「ごめんなさいぃー」と陸は号泣していたし、私は「足痛いんだから、あんまり怒らないでよー」と怪我を避雷針にしていた。

しかし、悠太のおじちゃんは、そうはいかない。

普段優しい分怒らせると、説教は長いし、超恐い。

正座をさせられた悠太は血が出るほどに下唇を噛んで、涙を我慢していた。

泣くのを我慢する悠太を見て、心が痛くなる。


私が、あそこで転んだりしなかったら、悠太はきっとこんなに怒られなかったのに。


転んだのだって、冷静になって考えてみれば自分がドジだったからで悠太は悪くない。


途端に、さっき悠太を責めてしまったことを猛烈に後悔した。

 



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