最後の夏-ここに君がいたこと-
試合に変化が起きたのは前半28分。

目に見えて相手ペースになってきていた。

パスが続かない……すぐに相手にカットされてしまう。常にボールはうちの高校のゴール付近にあった。

はらはらしっぱなしで胃がふわふわする。

陸……しっかりしろ……!


「いやな展開だね……」


梢子が小さく呟く。


「うん……」


ピッチを見つめたままで頷く。

必死に防いではいるけれど、いつゴールされてもおかしくない状況だった。

 




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