私に恋を教えてくれてありがとう【下】
私の中の“愛”はどこへいったのだ!


いつ失くしてきた?


私は誰に白状しようとしているのか?



どんどん走馬灯みたいに今までのドラマが螺旋を描いていた。


そして過去を改竄し、都合のいい続きを勝手に作り出してしまっている。


終わりのカタチを。




師長のたった一言でもう終わりを念頭に置いている。


私の愛は、

牧田への想いはこんなものだったか?



華子は前髪に思いっきり息を吹きかけ


「大丈夫、大丈夫、


ばれてはいない


大丈夫!大丈夫!

思いつきで言っただけだ!」



と、どう仕様もない念仏を唱え


気の持ちようの方向をはっきりさせ


止まってしまっていた手をまた動かしメールを打った。


打っては消して、打っては消して……5回繰り返し6度目でやっと送信した。

< 105 / 355 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop