私に恋を教えてくれてありがとう【下】
外来は至って普段通りの顔を見せていた。


明日は日曜の為、

月曜の分の予約診療の準備をカウンターでしながらも

目を見張り耳をそばだたせ、

あらゆる音や変化を引っ掻けようと

蜘蛛の巣を張った。




何もかもが不変か?


師長の姿だけが見当たらない。


これは都合がいいか悪いか

よく分からない。





もしや師長は看護部へ行って

私たちの事を話に行っているのでは。


華子の頭の中は汚名をそそぐこと

一色になりかけていた。



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