私に恋を教えてくれてありがとう【下】
牧田と同じ時間を過ごすのは至難の業。


華子は殆どを大島先生と共有していたし、

いつも師長のらんらんとした目を

どことなく気にしていたので

超音波検査や内視鏡検査の飛び入りがあった時

わざと患者を丁寧に案内し

直接牧田へ送りをしにいくという手段をとっていた。



これは本当に疲れる“仕事”だ。                                                    
人の目、タイミングを見計らい

自然な流れを作って一目だけでもと会いに行く。



それが幸せでもあった……。




繋がる一瞥。



真剣に検査をしている姿……。





この胸の高鳴りで全てを許す事が出来てしまった。


< 118 / 355 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop