私に恋を教えてくれてありがとう【下】
歓声がやむと、再び照明がつけられた中

華子はみんなにありがとうをして

祐樹にはことさら強くお礼をした。





「あぁ~!本当にありがとう

 でも私まだ……」





祐樹が しっ!と指を口に当て





「いいの、店の人には

今日って言ってあるから

あんまり大きい声では言わないで!」



と、囁いた。




華子は朗らかに笑って見せた。





「ありがとう!なんてお礼を言ったらいいやらだよ」


華子は一緒に食べようと祐樹を誘ったが


彼は優しく遠慮し


ただただケーキをおいしそうに頬張る



彼女の横顔を愛おしげに見た。



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