私に恋を教えてくれてありがとう【下】
そろそろ大学の授業は終わっているだろう。
華子はいつも相手に迷惑な時間を避けて
送るようにしていた。
専門学校からの帰り道、
自転車をこぎながら気持ちよく空を眺めた・・・・・
なんだか照れている様で、昨日の祐樹みたい。
ちょっと寒いけどこれ位の気候が一番好きだ。
華子は家に着く前に
ちょっと公園に寄り道をしてメールを打つことにした。
この公園に寄るのはほぼ恒例となっていて
ブランコに乗りながら空を眺めるのが好きなのだ。
いつものブランコによいしょ!と小さなお尻を乗せて
つま先と踵でブランコを揺らした。
砂場にはまだ5歳くらいの男の子を連れたお父さんがいた。
そんな姿を微笑ましげに眺めて、幸せを貰いながら
携帯を開いた。
着信が入っている。
「・・・・・あら」
祐樹からだった。
華子は慌てて電話をした。