私に恋を教えてくれてありがとう【下】
華子は


風の音、

落ち葉独特の木の葉ずれ、


子供のはしゃぐ声、


車の通る音をじっと聴いて


すきあらばあの子と一緒に遊びたいな・・・なんて思ったりしていた。





なにやら手元から人の声。





『おい!おーーーーーーい!

      やっほーーーーー!!!!』







・・・・・・あ。忘れてた。



けれどもとても楽しそうな声だ。





華子はゆっくり耳に携帯を当てて、

祐樹の慌てている声を楽しんだ。





「・・・・・・はい!お疲れ様佐藤でございます」

にやにやしながら第一声をきった。






『いやいやいや!遅いし!

            何してたの?』





「正直に言います。

  いま電話をかけてたこと、すっかり忘れてました」






『・・・・・・・・なんだか

   ・・・・・・・うん。

        なんでもないや』

祐樹はかなり笑っているようだ。






「実は私もね、メールかなんかを

  してみようと思ってたところでね

  何時頃にそっちついたのかも

  気になってたし

  あとー・・・
   


 昨日の感謝も込めて」



片手でハートを作ってみたが、

華子は自分の手を見て首をかしげた。





やはりハートは二つ一組だと感じて微笑んだ。




そして二人は空が暗くなるまでお互いの話を楽しんだ。





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