私に恋を教えてくれてありがとう【下】
華子はいつもの公園のブランコに腰をおろしていた。
日はまだ到底落ちぬ時刻。
自分が一番不自然に思っていた。
何故ここに居るのか。
それは簡単に調子が悪かった、ただそれだけ。
総看護師長からの話もおわり
安堵、そして直後、古傷に塩を擦り込まれた結果
点滴を500ml入れられて帰ってきたのだ。
病名はプライマリーショックと記されていた。
でも、そんな病名とは裏腹に華子の心中は
案外穏やかだった。
確かに牧田からの電話で
また妙な気分になったのはなったが
今日の華子と昨日の華子では芯が違った。