私に恋を教えてくれてありがとう【下】
公園には、華子の上ずった声と飛行機の音だけがし、
足元の砂のコニーデに雨が降った。
雀が二羽両足を揃えて飛び跳ね
きょろきょろお互いを見合っている姿が何とも愛らしい……。
ほんの数日まえまで恐れ
不信感を持っていた華子の気持ちがはっきりとしたカタチを持ち
あの飛行機と一緒に
「……そうだね」
祐樹のもとへと届けられた……。
「すきだよ」
……この愛を信じよう……
華子は部屋の掃除の事をすっかり忘れこの想いに浸り、幾度も手を止めては
やわらかな
愛おしい目で彼のいるであろう方向の空を眺めた……。