私に恋を教えてくれてありがとう【下】
「やっぱり2DKは欲しいよね?」
「そうだなぁ……是非欲しいかもね」
もう祐樹は東京の某車の会社に勤めて1年経ち
学生気分の発言が大分少なくなり
前のような楽観的なことは余り言わなくなった。
こうやってカフェでお茶をしながら
これからの二人での生活の計画を練る。
……なんて幸せなんだろう。
店の外は、祐樹との久しぶりの再会の時の様に
赤と緑で飾り付けられ
いつも裸んぼうだった木々も煌びやかな衣装をまとっているし、
耳から入ってくる音は全て楽しく聞こえる。
皿を割った音にさえも笑顔した。
二人の左手薬指には似た形のリングが輝き
多くの愛のことばが囁かれる。