私に恋を教えてくれてありがとう【下】
「ところで、もう上の人には言ったの?」
祐樹は猫舌にお茶をすすった。
「ん!言った!
あれ、言ってなかったんだっけ?
すんなり了承してくれたって」
華子は目を真ん丸くして言った。
「もうさ、うちのとこの師長も辞めてほしいと思ってたんじゃないのかな?
嫌われてるしぃ……ねぇ?」
明るくそんなことを言う華子を、祐樹は笑った。
「若いっていうだけで妬まれるからね
まぁ、良かったよ。
あとは挨拶だね」
祐樹は頭を少し、ポリポリとかじり
息をふーっと吐き
緊張を和らげようとする様子をして見せた。
「本当だよ。
頑張ってくれ、青年」
華子もまたプレッシャーをかけるふりをし
こんな幸せな時間がいつまでも流れることを
切に願っていた……。