私に恋を教えてくれてありがとう【下】
前兆はまさに調べたとおりに
微熱、いつもと違う胸の張り、
そして、華子の場合
異常な腹痛。
半信半疑で買った妊娠検査薬は
夏炉冬扇かと思われたが
時間が経つにつれ薄く色付いたのだ。
微妙な変化だったが
当人にはそうではなかった。
償ったと思われた牧田への罪悪感が落ち度となり
自分に対する嫌悪が勢いよく吹き出し
華子は溺れ
のまれていく。
その渦中華子は答えを見つけた。
たった二文字を暗闇から見つけ出した。