私に恋を教えてくれてありがとう【下】

22 痛みとは



「話したいことがあるの」

そう呼び出した彼、祐樹。


この気持ちとは真逆のこの空は一体何を告げているのか?


きっと神様が嘲笑っているのだろう……


華子にはそう感じられた。



いつも通りのカフェで待ち合わせをするが

この憤りはなんだろう。


最初にどうやって切りだすか頭の中で何度も繰り返し練習をし

その矛先が華子自身に向いているということに、知らぬふりをするのに必死だった。




今日のチャイティーは変な味で泥水みたい。



口に運ぶ度にそう思った。



つい最近までおしゃれをしていた木々や店の内装は落ちつきを取り戻しているのに

華子に至っては……。



「お待たせさま」




視点がばらけていたのが一気に祐樹へと集まった。



「あ!ごめ!


 ……またこっちまで来てもらっちゃって」



「いいよ、大丈夫。

 で、何?

 話って?」



今までのリハーサルが吹っ飛んでしまい

とりあえず祐樹もお茶をしては?と促した。













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