私に恋を教えてくれてありがとう【下】

同意書を書き終えた後

二人はいつもの二人ではなかった。


流れの悪い血液はどこかで破裂してしまいそうだ。



……





そらは目を丸くし淳一郎を見て

またすぐ手帳に目をうつした。



「母さん……」


そらの手には紙切れが四枚握られていた。

手帳に挟んであったのだ。

手術説明書、採血結果二枚

そして確かに母のお腹に赤ん坊がいた証……。






< 270 / 355 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop