私に恋を教えてくれてありがとう【下】
本当に勝手である。
勝手に問題をつくり、勝手に整理し、勝手に結論を下す。
わかっている……これが正しい道ではない事は。
本来ならばこの場合彼に打ち明け、話し合い答えを出すべきなのだろう……
しかしそうはいかないのだ。
この女はそうはいかない。
華子は自分の胸にかたい拳を当てた。
“私には私の正しい道”がある。
いくら世間様が批判したって、自分にとっての正義が違うことだってある。
自分の責任だ、その取り方は自分で決める。
……そういう性格なのだから……。
……そういう性分なのだから……。
この心の声は、第三者からすると馬鹿馬鹿しく聞こえ
知的、奇抜、孤立を装っている様に見えるであろう。
でも違うんだ。
これは自分の性格であって、難点で
これまで付き合ってきた自分の心の癖なのだ。