私に恋を教えてくれてありがとう【下】

「ねぇ……華子は本当にこれで終わりにしていいの?

 俺がいなくなっても平気なの?

 俺のこと愛してないの?

 いきなり華子がいなくなった俺はどうなるの?

 何も知らない、何もわからないまま」


「……知らなくない……私手紙にちゃんと書いた」


「違う」

祐樹はバシリと叩きつけた。


「本当の気持ち……俺に伝えなくていいの?」



「へ?」



華子の声は涙混じりに上ずった。



「俺に言いたかった言葉とかないの?

ずっとひとりで考えて、ひとりで答えを出して

考えているときに俺はいなかったの?

何の言葉も浮かんでこなかったの??」



こんなに荒々しい祐樹は初めてで、華子は勿論動揺していたが

今の天候に後押しされた様に吐き出し


「……これは私の責任なの!!

貴方に伝えたって答えは一緒でしょ!?」


祐樹の男のわりに白い腕を振り払おうと抗ったが

瞬間的にグッと抑えつけられる……。




「あんなに易々と同意書書いたじゃないか!

 ちょっと涙はしてたけどあの短時間で決められたでしょ?」



「!?」



「貴方にとってはそんなもんだったんだよ!!」



……違うんだ……







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