私に恋を教えてくれてありがとう【下】
それに華子は、一寸の揺らぎもない返事をした。


「……あ……当たり前っ」


祐樹に負けないほど吠えたけれど

喉の痛みなんてどうでもよかった。


ただ、祐樹に抱きしめられるこの力強さを感じ

祐樹の小さな耳たぶ

祐樹の優しい香り

男のくせに白いはだ……


もっともっと包まれたくて……


この人とだったら私は幸せになれるんじゃなくて

この人とじゃなくては、幸せじゃないんだと悟ったんだ。

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