私に恋を教えてくれてありがとう【下】
妙な気分である。

牧田に何かを感じた。



いや、勘違いだ。


私と同じ年ほどの子供がいても不思議ではないし、

娘の様に慕ってくれたのだ…………。




そう飲み込んだ。





金井の存在は、華子にとって

鉛のよう。


でも、

牧田はその鉛を軽い埃程度にし、


吹き飛ばしてしまった。



華子は薄暗く狭い部屋で、

机に座りカルテを読んでいる牧田に気づかれないように


口端をかすかに上げ


金井を呼び入れた。
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